『 デング熱 』。
ではなくて、、、。
実は、それと時を同じくして私の波乗人生を根底から覆す出来事が起こった。
『 ロング熱 』。
そう、つまりロングボードとの出逢いである。
波に乗るという魂を揺さぶる行為に出逢い、波乗中毒に感染してからちょうど20年。ずーっとショートボードばかりやってきた。
色んな板が好きで、シングルもけっこうやるし、ツインもクワッドもそれぞれの乗り心地は全く違う乗り物だ。 全部好きだ。
そしてその出逢いは向こうからやって来た。
この宇宙の始まりは一つの波だった。それは「原始重力波」と言われている。
ということはつまり、この宇宙に存在する全てのものは「波」であるともいえる。
私たちも、人間として、一つの波としてこの星にやって来て、やがては去って行く。次に地球に生まれるとは限らない。
自分を宇宙の中心とすると、全てのものは波として向こうからやって来る。
出逢いもインスピレーションもチャンスも音も光も痛みも喜びも、、、全て。
そしてそれを見つけて捉えることができるか、見過ごすかは、その時の自分の能力次第とも言えるし、かりに見つけられなかったとしても、それはそういう時節ではなかっただけのこと。また次の機会に違う形でやって来る、かもしれないし来ないかもしれない。
そうなるべくしてなっているだけの話。
ロングボードもそうだった。友達から使っていないロングボードがうちにやって来てから、しばらくは乗らずに置いてあった。今考えればもったいない。
去年の夏は波が本当に無かった。これはいいチャンスとばかりに始めてみると、全く乗れない。板が動かない。コケまくる。それも恥ずかしい格好で、、、。
そこで火がついた。これは悔しすぎる。何で乗れねんだ!?
まるで初心者と同じフィーリング。一本波に乗る度に新しい発見と興奮と学びがあり、乗れば乗るほどのめり込んでいって、気持ちが抑えられないくらいに愛が深まっていくような、初恋に落ちた時のようなときめく気持ち。
それは半年経った今でも変わらない。ますます好きになっていく。この歳になってこんな気持ちを味わえるなんてなんて幸せ者なんだ。
夜寝る前、翌朝の朝一番の波に乗っているところを想像するとドキドキして寝つけず、見る夢と言えば、もちろんロングボードに乗っている自分。それも今までできなかったことがいとも簡単にできている。
ショートボードでは得られないあの重量感のあるスピード。ショートボードでは絶対に行けないところを抜けていくと、そこにはショートボードでは今まで一度も見たことのなかった光景と感触と経験と感動が待ち受けている。
同じ波に乗るという行為が、板の長さが変わっただけで、ここまで変わるものなのか、、、?
かといって、ショートボードに乗る気がなくなったのかと言えば、全くそんなことはなく、逆に今まで以上に目の前のリップに思いっきりボトムで溜め込んだパワーを当て込みたい欲望でいっぱいなのである。
それも最近、師匠の波乗陀仏から親授された、夢のサーフボード、TRUE SURFBOARDS の Chumi Fish によって、僕の中のショートボード熱もますます加熱中である。
これは二股をかけて両方失ってしまうような俗な話ではなく、、、ショートもロングもサーフィン全体の中の一部分であり、ショートで培った速くて過激な動きとロングでの大きいラインのアプローチを融合させることにより、波乗りの幅が格段と拡がり、ネクストステージへと向上するために、神様が20年目にしてプレゼントしてくれたのかもしれない。
ここまで愉しいと不思議なもので、普通であればこの体験の感動をみんなに教えてあげたいとかシェアしたいとか思うのかといえば全くそうではなく、これは誰にも教えたくない自分だけの秘密にしておきたいとまで考えてしまう。
そんなやつになる前に、この『ロング熱 』に感染してしまったことを告白しようと思いたったのだ。
さて、今から北に行くか南に下るか、、、。ショートにするかロングにするか、、、。贅沢な悩みを抱えながら支度でも始めますね。
こんなに低気圧に囲まれちゃって、どうしましょう、、、。
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